アトピー性皮膚炎について
強いかゆみのある湿疹が典型的な部位に繰り返し出現する皮膚疾患です。ジクジクしたり、カサカサしたり、皮膚が厚くなったり、ゴワゴワしたり様々な皮膚症状がみられます。
患者様の多くは、乳幼児期に発症します。お母さんがに妊娠中貧血や過度の体重制限をしていても起こりやすい傾向があるようです。就学時に一旦治ることもありますが、二次成長や就職などのライフイベントで再燃するケースなどもみられるようになっています。
なお皮膚症状に関しては年齢によって異なります。乳児期〜幼児期は、頚部、関節の内側などの擦れる部位に繰り返し、耳ギレなどを認めます。また思春期や成人でも症状が続く、発症するという場合は、顔面や頸部のほか、上半身を中心に紅斑や色素沈着がみられるようになります。
原因
発症の原因は現時点で特定されていませんが、遺伝的素因、アレルギー、食生活などが影響すると考えられています。
治療
現時点で完治させる治療法は存在しません。皮膚の炎症を抑える場合は、ステロイド系の外用薬やタクロリムス軟膏を使用します。また、かゆみの症状が強ければ、抗ヒスタミン薬の内服薬を使用します。このほか、日頃からのスキンケアも大切です。
外用剤は入浴後直ちに水分が皮膚に残っている間にたっぷり塗布します。外用後の皮膚にはティッシュがくっつくくらいが理想的です。FTUという単位があります。手の指の第1関節までの長さで両掌2枚分です。擦るのではなく、たっぷりと押し込むように乗せるように塗布します。