アトピー性皮膚炎について
アトピー性皮膚炎は、皮膚にかゆみや湿疹が繰り返し現れる慢性的な疾患です。多くの場合、小児期に発症しますが、大人になってからも続く方や、成人してから初めて症状が出る方もいらっしゃいます。
主な症状
- 強いかゆみを伴う湿疹
- 皮膚の赤み、乾燥、かさつき
- 掻きこわしによる皮膚の厚みや色素沈着
症状は良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。
治療について
治療は、症状の程度・生活背景・既往歴などに合わせて行います。
1. 外用療法
- ステロイド外用薬
- タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ(JAK阻害外用薬)など
→ 皮膚の炎症やかゆみをコントロールする基本治療です。
2. 内服療法
- 抗ヒスタミン薬(かゆみを抑える)
- 免疫抑制薬(シクロスポリンなど)
3. 注射・内服の最新治療
当院はアトピー性皮膚炎の認定施設であり、重症・難治性の方には以下の新しい治療も行っています。
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ミチーガ(デュピルマブ):
かゆみや炎症に深く関わる「IL-4」「IL-13」という物質をブロックする抗体製剤です。従来の治療で十分な効果が得られなかった方に有効なケースが多くあります。 -
JAK阻害薬 リンヴォック(ウパダシチニブ):
炎症に関わるシグナル伝達を抑える内服薬です。飲み薬であるため、注射に抵抗がある方や、より幅広い症状改善を希望される方に選択肢となります。
これらの治療により、かゆみの軽減や皮疹の改善、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
4. 栄養療法
皮膚の状態は栄養バランスや腸内環境とも深く関わっています。鉄分・亜鉛・ビタミンD・タンパク質などの不足が皮膚バリア機能を弱めることもあります。
- 当院では 栄養療法 を取り入れ、食事・サプリメント・ライフスタイルの改善についてもサポートしています。
- すでに他院で採血された 検査結果をご持参 いただくか、必要に応じて当院で採血検査を行い、栄養状態を可視化しながら治療方針に反映していきます。
日常生活の工夫
- 保湿を習慣にして皮膚のバリア機能を守る
- 入浴後すぐに保湿剤を使用する
- ストレスや睡眠不足を避ける
- ハウスダストやダニ、花粉などのアレルゲン対策
アトピー性皮膚炎は「一生つきあう病気」と思われがちですが、治療選択肢は年々広がっており、従来よりも症状を大きく改善できる時代になっています。
当院では、 標準的な治療から最新の薬物療法、栄養療法まで幅広く対応 しております。ぜひお気軽にご相談ください。






