フットケア|荏原町の羽尾皮フ科クリニック 品川区中延 旗の台

フットケア

足には、原因も病態も様々なトラブルが少なからず生じてきます。
当院の「フットケア」外来では、巻き爪、水虫、たこ・うおのめ、糖尿病性足病変などの足トラブルの診療を行っております。

巻き爪

巻き爪とは、足の指にある爪の両端の先端部が、大きく内側に湾曲した状態を言います。負担のかかりやすい親指の爪が巻き爪になることが多いのですが、その他の指の爪もなることがあります。
巻き爪が進行すると、肉の部分に曲がった爪がどんどん食い込んでいき、炎症を起こして次第に激しい痛みを引き起こすようになります(陥入爪)。さらに、曲がった爪に巻き込まれた皮膚が化膿してしまい、歩くことが困難になる場合さえあるのです。
また、強い痛みから足をかばおうと、いつもとは違った歩き方をしてしまうために、足首や膝、腰にも負担がかかり、捻挫や膝痛、腰痛の原因になるケースもあります。
当院では基本的に爪を抜く様な手術は致しません。
全部の爪を抜いてしまったり、くい込んでいる爪を部分的に抜く事で、将来爪が厚くなって伸びにくくなったり、爪が曲がって伸びる事があるからです。

保存療法

保存療法には昔から行われている「コットンパッキング」と、手術に代わる方法として注目されている「矯正療法」があります。

コットンパッキング

軽度の巻き爪であれば、コットンパッキングを行います。巻き爪を起こした爪の両端と、その下の皮膚の間に、コットン(綿)で細くこよりを作って挿入します。これだけでも、ある程度の痛みはやわらぎますが、効果があるのは軽度の巻き爪の場合に限られます。

アクリル人工爪療法

巻き込んだ爪を矯正しながら爪の上にアクリル樹脂をのせ、人工的に爪が伸びた状態を作り、周囲の皮膚へのくいこみを緩和します。深爪や、巻いた爪が周囲にくい込んだ状態に対して行います。

ガター法

爪の側面にプラスチックチューブをさしこんで固定し、とがった爪を保護して痛みと炎症をやわらげます。爪の側面がくい込んでいる場合などに用います。

ワイヤー法

爪甲の両端に穴を開け、そこに形状記憶合金製のワイヤーを通すことで巻き爪が広がっていき、痛みなく矯正する方法です。
手術を必要としないため、爪が痛くて伸ばせない方でも装着できます。

マイスター法

コイルばねに内蔵された超弾性合金ワイヤが弾性力を発揮して、巻き爪マイスターを継続して装着することで爪を矯正します。
比較的簡単に装着できるため、日常生活に支障はありませんが、爪が脆かったり彎曲が強すぎたりする患者さんには装着ができない可能性があります。

水虫 爪水虫

真菌いわゆるカビの感染症です。足に水疱が出来たり、皮が剥けたり、趾間が白くふやけます。薬局でも水虫の薬を購入できますが、水虫と考えて皮膚科受診した患者さんの30%は他の病気だったというデータもありますので、治療を始める前に顕微鏡で真菌を確認する事が大切であると考えています。痒みもなく足底の角質が厚くなる水虫もあります。水虫が爪に感染すると爪白癬になり、爪が厚く白く濁ります。外力によってただ爪が厚くなる厚硬爪甲、爪甲鉤彎のこともあるため、爪水虫に置いても検査が必要です。

水虫の治療

水虫の治療には、一般に抗真菌薬が使われます。抗真菌薬には塗り薬と飲み薬があり、爪白癬のような爪の中に薬の成分が届きにくい難治性のものは従来内服薬しかありませんでしたが、爪白癬専用の塗り薬が使用できるようになり、これまで肝機能が悪くて使えなかった様な方も治療ができるようになりました。
外用薬の効果を発揮させるためには、とにかく薬をきちんと塗ることが大切です。特に入浴後は皮膚の角層(皮膚の一番外側に位置し、外界と接する部分)がふやけており、薬が浸み込みやすいので、お風呂上がりに塗るのが効果的です。
また白癬菌を逃さないためにも、靴に隠れる範囲に広く塗る事が大切です。根気よく治療を続け、自分で勝手に治ったと思い込んだりせず、必ず医師に判断してもらうことが大切です。
内服薬は3~6ヶ月の服用が必要となり、経過を見ながら医師が効果を判断します。内服薬は稀に肝機能障害や貧血などの副作用を招くことがあるため、血液検査で副作用をチェックしながら治療します。

たこ・うおのめ

たこやうおのめは、足の特定の場所に継続的に圧力がかかることによって発症します。
たこは皮膚の表面の角質が部分的に肥厚したもので、うおのめは肥厚した部分にさらに圧がかかって硬くなり、芯をもっているため、歩くたびに刺激されて痛みが走ります。

たこ・うおのめの治療

たこもうおのめも、削ったり切ったりして治療していきますが、どちらも強い圧力が同じ部分にかかるなど同じような環境が続けば再発してきます。合わない靴はもちろんですが、足の骨の形、歩き方など様々な要素が関係していると考えられています。この圧力を軽くしてあげることがなにより大切です。場合によっては靴型の装具をお勧めする事もあります。
足の裏によくできるのが足底疣贅(そくていゆうぜい)という一種のイボで、これをうおのめと勘違いすることがあります。しかし、これはイボウイルスの感染症で、知らずに削ってかえって広げてしまうこともありますので、この鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科専門医の受診をお勧めします。
また、たこに痛みや赤みを伴う場合は細菌感染を起こしている可能性がありますので、早めに皮膚科を受診してください。特に糖尿病の患者さんでは重症化することがありますので、要注意です。

糖尿病性足病変

糖尿病の患者さんでは、足の潰瘍や壊疽などにかかりやすくなります(糖尿病性足病変)。糖尿病性足病変には、足の神経が障害されて知覚が鈍磨したり(神経障害)、動脈硬化により血液の流れが悪くなって(血流障害)、けがなどが治りにくくなったりするといった合併症が大きく関係しています。また、糖尿病の患者さんは、病原微生物に対する抵抗力が低下しているため、感染しやすく、傷が化膿しやすいということもあります。

うったい性皮膚炎、下腿潰瘍

難治性のうったい性皮膚炎や下腿潰瘍に対して検査や治療を行います。弾性包帯などでの改善が難しい場合は、精査可能な血管外科にご紹介致します。

動脈硬化

動脈硬化とは血管の壁に脂肪などが沈着して厚くなり、血管の内腔(血液の通り道)が狭くなることや、血管の壁が硬くなり、弾力性(しなやかさ)が失われてもろく壊れやすい状態になることです。
放っておくと、心疾患(狭心症・心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳梗塞・脳出血)などの大変な病気を引き起こす恐れがあります。

弾性ストッキング

医療用の弾性ストッキングは、薬局やインターネットで販売されている普通のストッキングとは違う特殊な編み方でつくられています。
その特殊な編み方により、足を下から段階的に圧迫し、むくみや余分な血液のたまりを予防することができます。