舌下免疫療法|荏原町の羽尾皮フ科クリニック 品川区中延

舌下免疫療法

当院では、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法の受付を行っております。

はじめに~舌下免疫療法について~

鼻炎・皮膚炎・目のかゆみなどのアレルギー症状に対しては、薬で緩和する方法(対症療法)がありますが、原因になる物質(アレルゲン)をごく少量から体の中に投与し、時間をかけて体をアレルゲンに慣らして、アレルギー症状をやわらげていくのがアレルゲン免疫療法です。これまでのアレルギー免疫療法は、「皮下免疫療法」という注射によるものでしたが、近年は口からアレルゲンを投与する舌下免疫療法が登場しました。

スギ花粉症の舌下免疫療法

1日1回、舌の下ヘスギ花粉を含む液(シダトレン)をごく少量から滴下して、2分ほどそのまま含んでおき、その後に飲み込みます。この薬品はもともと注射用に使われている薬と同じ成分ですので、安全性に問題はありません。

この薬液の量を少量から始めて医師の監督のもと、決められた一定量を継続して服用します。アレルギー反応を起こさないよう体質を改善していくことで、スギ花粉症を治癒につなげていく方法です。

舌下免疫療法は長期にわたり体質を改善する治療法ですから、継続的な治療が必要です。まずは2年間ほどこの治療を行い、効果を確認します。そこである程度効果がみられた方には、以降も3~5年間の治療をおすすめしています。

舌下免疫療法で根治するのは10~20%で、また、程度の差はありますが全体の70~80%の人に有効と言われます。

ダニアレルギーの舌下免疫療法

花粉症のシーズンにかかわらず一年中症状が出ていたり、外出時のみならず家の中でもくしゃみ・鼻炎や目のかゆみなどの症状があったりする方は、ハウスダスト(家の中の細かな塵)や室内に棲むダニがアレルゲンとなっている可能性があります。

室内のダニのうち主に症状を引き起こすのは、ヤケヒョウヒダニ・コナヒョウヒダニといった通称チリダニと呼ばれる種類のダニです。人間が生活する室内の布団や畳、カーペットなどに潜むダニの分泌物や糞、死骸が人間の体内に入ることでアレルギー反応を引き起こします。

ダニアレルギーの原因となるダニの数は室温や湿度が上がる夏に最も増加し、それに伴って秋から冬にかけてダニが残したアレルゲンの量はピークを迎えます。ダニアレルギー体質がある方の中には、一年中症状が現れる「通年性アレルギー性鼻炎」となることがあります。自覚症状がある方は、まず血液検査を行っていただきます。

検査でダニアレルギーと診断されましたら、舌下免疫療法薬であるダニ舌下錠(ミティキュアなど)を処方することができます。現在、ダニアレルギーの舌下免疫療法についても保険適応となりますので、ご希望の方は当院までお問い合わせください。

舌下免疫療法の実施方法

治療開始時期

重大な副作用(アレルギー反応のショックおよびアナフィラキシー症状)を防ぐという安全性の観点から、アレルギー反応が強まる時期は避けて薬の投与を始めます。

スギ花粉であれば、飛散が始まる直前や飛散時期に治療を開始することはできません(6~12月の間に、治療はスタートします)。

ダニアレルギーについては通年で治療を開始できますが、ダニやその死骸が増える梅雨時~秋に症状が悪化しているようであれば、時期をずらした方がよいので、医師に相談の上で治療を開始してください。

服用期間

1日1回、スギ花粉が飛んでいないシーズンも含めて毎日、少なくとも2年、できれば3~5年続けます。ダニ舌下錠についても同様です。

服用方法

スギ花粉を含む治療薬を舌の下に滴下し2分間保持、ダニ舌下錠の場合は錠剤を舌の下に1分間保持します。その後は飲み込みます。

服用の後5分間は、うがい・飲食を控えます。

健康保険について

2014年10月以降にスギ花粉症の舌下免疫療法、2015年12月以降にダニアレルギーの舌下免疫療法についてそれぞれ健康保険が適用されております。

舌下免疫療法で期待できる効果

  • アレルギー症状を治し、生活の質(QOL)を上げたい
  • 治療期間が長期になっても、アレルギー症状治癒(スギ花粉やダニへのアレルギー体質がなくなること)を望んでいる
  • 飲み薬やスプレーでは、症状が軽くならない
  • 飲み薬で、眠気などの副作用がひどい
  • 花粉症やアレルギー症状の薬の量が多いので、減らしたい
  • これからも毎年花粉症やアレルギー症状に悩むことを考えると憂うつになる
  • 数年内に妊娠の希望や予定は無いものの、将来的に妊娠した際に薬が使えないのが不安
  • 受験など重要なイベントがスギ花粉症の時期と重なるので、集中できるよう少しでも症状を改善しておきたい