いぼ(尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい))とは
一般的に「いぼ」と呼ばれるもので、表面がザラザラとし、盛り上がるものを指し、ヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus) の感染によって生じる皮膚の良性腫瘍です。
原因ウイルスの特徴
HPVのタイプ
- 尋常性疣贅の多くは HPV 2型、4型、27型、57型 が原因となります。
- 他の型も稀に関与しますが、上記が代表的です。
感染経路
- ウイルスが皮膚の小さな傷やささくれなどから侵入し、表皮の角化細胞に感染します。
- 直接的な接触(握手など)や、間接的にプールやタオルなどを介して感染することもあります。
病変形成
- HPVが感染した皮膚細胞は増殖が促され、角質が厚く盛り上がって「いぼ」として現れます。
- 手指や足底に好発し、硬くザラザラした表面を持つのが特徴です。
青年性扁平疣贅について
原因ウイルス
青年性扁平疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV) の感染によって生じるいぼの一種です。
主な原因型は HPV 3型、10型 が代表的です。
好発年齢・部位
- 10~20代の若年層に多く見られます。
- 顔、手の甲、前腕など 外見上目立ちやすい部位に発生しやすいです。
特徴的な症状
- 表面がなめらかで扁平(平ら)な小さな丘疹が多発します。
- 色は 皮膚色~淡褐色で、光の加減で少し光沢を帯びることがあります。
- かゆみや痛みはほとんどありません。
- 数が増えやすく、線状に並んで出る「ケブネル現象(掻いた部位にできやすい現象)」を示すこともあります。
経過
- 自然に治ることもありますが、数か月~数年と長引くことも多いです。
- 見た目の問題から、特に顔に出ると心理的なストレスにつながることもあります。
治療
- 液体窒素療法(凍結療法):一般的に行われる治療。ただし顔では刺激が強いため注意が必要です。
- 外用薬:サリチル酸、レチノイド系の外用薬を用いることがあります。
- 自然消退の可能性を踏まえ、症状や部位によっては経過観察を選ぶこともあります。






